SWOT分析とは

自社を分析する方法の一つとして、非常に有名なのがSWOT分析です。
SWOTというのはStrength,Weakness,Opportunity,Threadの頭文字を取ったもので、それぞれ「強み」「弱み」「機会」「脅威」という意味となります。
これらの要素を掛けあわせて考えることによって自社の状況を把握し、今後の方針を考えるための材料にする、ということです。
しかし、自社分析というのは適切なタイミングで、適切な方法を用いて行なわなければ意味がありません。

このSWOT分析を用いるのに適しているのは、自社の事業の現状がどうなっているのかを把握し、新しい事業展開を考えることや、或いは現在の事業の変更や縮小を考えることに利用されます。
自社にとってどのような強みがあり、これをどう活かす事ができるのか、それを見極めるための分析ということになります。

では、実際のSWOT分析のやり方について、概要にはなりますが簡単に紹介していきます。
SWOT分析をやる際には、文字の並びとは逆になりますが、外部要因、すなわち機会と脅威を表すOとTから分析をスタートさせるのが効果的です。
というのも、この2つというのは自分たち力によって変化しないものであるためです。

この外部分析を行う際には、いくつものフレームワークというものがあり、それぞれ効果が違うフレームワークの分析を行うことによってより詳細な分析に繋げていくことになります。
例えばその1つであるのが「自社の状況を分析する」の記事のなかでも紹介したPEST分析です。
この他にも、新規参入や代替品の観点から調査を行う5F分析や、製品ライフサイクル分析、イノベーター理論などが存在しており、いずれも利用することができます。

この外部分析が終って初めて、内部分析となる強みと弱み、SとWの分析に移るようにしましょう。
そうしないと、見えてこない部分があるためです。

強みとしては、例えば長年の経験や、技術、サービス面における優位性などが挙げられるでしょう。
逆に弱みとしては、例えばブランド力が弱いことや、全国的に展開していないこと、マーケティング能力の低さ、というようなものが考えられます。
もちろんこれは会社によって違っているものですから、一概に言えるものではありません。

クロスSWOTでシナリオ分析

S,W,O,Tのそれぞれの分析が終わったら、これをそれぞれ掛けあわせて役立てることが重要です。
ただ分析しただけではその後につながらないため、今後に繋がるものへと変えるのがクロスSWOTという、SWOT分析の核となる部分です。

まず最優先で考えたいのは、強みと機会を掛けあわせた「今後自社の強みを活かして機会を成功に導くにはどうするか」ということです。
これは今後の会社の展望を考えるものであり、より大きな会社になるのか、あるいは沈んでいくのかを分ける分水嶺といっても過言ではありません。
基本的に資本主義社会というのは成長を続けなければいけないように出来ています。
停滞してゆっくりと沈んでいくことがないように、上を目指した方策を練る要素としましょう。

次に考えるべきは、強みと脅威を掛けあわせた「強みを活かして脅威を退けるためにはどうするか」ということです。
脅威となるものが何かによっても違いますが、全く手のうちようがない、というような自体はそれほど多くありません。
例えば競合相手がいるならば、そこよりも上にいくためにどのようなことが出来るのか、ということを強みを元にして考えていくわけです。

弱みをベースにしたクロスSWOTは消極的なように思えるかも知れませんが、重要なことです。
弱みと機会を掛け合わせると、弱みをどう補い、今後の機会を活かすことにつなげるのか、ということを考える材料となります。
弱みと脅威を掛け合わせると、今後来るべき最悪の事態にどう対抗するか、ということを考える材料となります。
これらもしっかり見ておき、いざというときのための備えとしましょう。

このSWOT分析をやる際に特に重要になるのが「強み」という項目です。
いくら他のファクターが見えてきても、強みが見つからなければ得るものがありません。
ただ、自ら内部存在である経営者が、自社の強みを客観的に判断することは困難です。
こういった際に利用できる方法について3つ紹介します。

1つ目は、取引先などに聞くことです。
自社はどのような存在で、他の会社に比べてどのような点で優れているか、というようなことをヒアリングするようにしましょう。
卸先からすると、今後改善を求められるのか、と考えて話して損はないことであり、客観的な意見が聞ける可能性があります。
仕入先の場合も、他の会社との取引によって比較対象があり、意見を聞ける可能性が十分あるでしょう。

2つ目は、競合他社と比較することです。
自社だけでは判断できないことも、競合他社というものさしがあれば長さが測れることもあるでしょう。
あの会社に比べて自社はどうか、ということを繰り返して判断していきましょう。

そして3つ目は、従業員に聞くことです。
従業員は経営者とは違った視点を持っています。
従業員にとって良い会社が会社として良いとは必ずしも限りませんが、従業員に取って悪い会社が会社として良い会社であることはほぼありません。
そういった意味で、また違った視点からの意見を聞くことが出来るでしょう。

ただ、これについては従業員が自由に発言出来るようでなければいけません。
匿名で意見を求めるなどの配慮をしなければ意味がなくなってしまう可能性が大きいため、行い方には配慮しましょう。

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