ワーク・ライフ・バランスを重視する人が増えている
日本の仕事スタイルとして、兼ねてより言われてきたのは「滅私奉公」というものです。
これは自らのことは置いておいて、仕事に全身全霊を注ぐというものでした。
「仕事」は間違いなく人生の中心として位置づけられていたと言えるでしょう。
しかし、時代とともに状況は変化してきました。
「仕事」はあくまでも生計を建てる手段であり、人生の中心ではないと考える人も多くなってきています。
こういった中で注目されているのがWLB、「ワーク・ライフ・バランス」です。
日本語にするのであれば、仕事と生活との調和、ということになるでしょうか。
仕事をしつつも、家庭や自分の生活のことも蔑ろにしない、そんなバランスのとれた就労環境を望んでいる人が多いということです。
優秀な人こそこういった考えをする人が多くなってきており、より良い人材を取り入れたいと考えるならば、なおさら会社単位でワーク・ライフ・バランスを考えなければなりません。
では、どのようにしてこれを実現すれば良いでしょうか。
WLB実現には時間短縮、場所の自由化、休暇が重要
ワーク・ライフ・バランスの実現としてまず重要なのは、就労時間を短くすることです。
毎日のように何時間も残業がある職場では、いくら残業手当が発生するとしても(もちろん発生しないと労基法違反ですが)、ワーク・ライフ・バランスがとれているとは言えません。
少ない社員を多く残業させて仕事をさせるより、社員を増やしてそれぞれが定時までで勤務出来るようにした方がバランスが取りやすくなります。
さらに、会社としても残業分の割増料金を支払う必要がなくなり、イコールマイナスとはなりません。
次に、在宅勤務が出来るようにすることを挙げられます。
パソコンの普及によってこれも以前に比べて行い易くなりました。
ただ、セキュリティなどの問題があるため、この点については十分注意をする必要があります。
また、育児休暇についても考える必要があるでしょう。
日本が少子化だと言われている背景には、この育児休暇に対する理解の低さがあると言えます。
女性は育児休暇を取った後に退職してしまうケースが多く、男性はそもそも育児休暇の取得率が非常に低い状況です。
子育てというのは社会に対する重大な貢献であり、会社がこれを押し留めるようなことがあってはCSR(企業の社会的責任)に対する意識が低いとみなされても仕方ありません。
そして、ノー残業デーを設ける、という方法があります。ただ、これは有名無実なものであってはいけません。
一律残業を禁止する日を作るというだけではなく、その日を「前後の日の無理な業務なく」残業せずに済む状態にしなければ無意味です。
他にも社員の働きやすさを追求する方法として、働きやすい環境を整えるためにオフィスデザインを工夫すること、アンケートを取り1人1人の社員の働き方に対する考え方を調査し改善に取り組むことなどもあり、各企業の経営陣は社員のことを考えて、社員の業務の質を上げて良い成果を残せるような仕組みづくりを進めています。