CSRを考える
経営者として知っておきたい言葉の1つとしてCSRというものがあります。
CSRというのは、Corporate Social Responsibilityの略称で、よく「企業の社会的責任」と訳されます。
企業は内部的にみるとお金を稼ぎ、利益を出すことが責任となりますが、社会的に見た時に担っているものはまた違っているということです。
このCSRについては、経済産業省が調査を行っており、その調査報告を閲覧することができます。
>>経済産業省
では、経営者としてこの「企業の社会的責任」についてはどのように考えていけば良いのでしょうか?
そして、企業の社会的責任を果たすことが、会社にとってどのような利益をもたらすことになるのでしょうか?
これは、会社にとってもメリットが存在するものであり、対応を誤れば大きな存在をもたらすものでもあります。
最初に企業の社会的責任については、大企業だけではなく中小企業も負っているということを把握しておきましょう。
いかに中小企業であるとしても、社会的責任を全く負っていないような会社は批判の対象となることも多く、これが経営状況に大きなダメージを与えることにも繋がります。
かつてに比べて現代は、インターネットの発達によって「口コミ」が非常に強い力を持つようになりました。
例えば自社が社会的責任に欠けたことをしたとしてそれがネット上に拡散すると「サイレントクレーマー」が多く発生することになります。
サイレントクレーマーというのは、「わざわざ文句を言うわけではないが、その会社の商品を買うのを控える」という、「個人的不買」現象です。
不買運動のように組織だっていない分企業から把握するのが難しく、何が原因でダメージを受けているのか分からないまま致命的ダメージを受け続けることにも繋がります。
特にこういった問題は消費者に対する問題が発生した時に起こりやすい傾向があります。
社会的責任の意味
では次に、社会的責任に関わることの1つとしてISO26000について紹介します。
ISOというのは国際標準化機構のことで、ここで企業に対するガイダンス規格などが策定されています。
ISO26000においては、この社会的責任に対する考え方というのが強く表されており、7つの中核として示されているのです。
7つというのは、「組織統治」「人権」「労働慣行」「環境」「構成な事業」「消費者課題への対応」「コミュニティ参加と発展」です。
経営者はこの7つを見つめなおし、自社が最も課題としていることは何かを考えて取り組んでいくことが重要になります。
では、社会的責任を追求することによって、得られるメリットというのはあるのでしょうか?
1つ大きなポイントとして、信用が得られる会社というのは得られる事が多いということです。
確かに短期的に見ると、むしろこの社会的責任を持っていない会社の方が利益を上げやすいと言えますが、長続きする企業にはなりません。
長続きする企業であるためには、「ステークホルダー」の信頼にたる企業である必要があるためです。
ステークホルダーというのは、社員や消費者、銀行、株主のように、会社を成り立たせるために必要不可欠な関係にある相手のことをいいます。
これらの人達からの信用があれば、いざ危機に陥っても助けてもらえる可能性は高くなるでしょう。
もちろん、そのまま発展を続けていく可能性も高くなるわけです。